長期固定金利の住宅ローン フラット35とは
投稿日:2015/02/02テレビCMなどでも盛んにPRされている住宅ローンの商品、フラット35。家を購入するとなると、誰もが一度は検討する住宅ローンの種類のひとつともいえます。有名ではありますが、実際にどんなものかをまだ知らないという方も多いでしょう。今回は、そんなフラット35の概要を説明していきます。
長期固定金利の住宅ローン「フラット35」とは
フラット35は、住宅金融支援機構(旧:住宅金融公庫)が提供している住宅ローンの一種です。
2004年まで存在した住宅金融公庫は財務省、国交省が所管する公的な特殊金融機関でした。当時から提供されていた、資金力の弱い個人向けの一般住宅融資が、フラット35の前身です。構造改革によって住宅金融公庫が廃止され、独立行政法人?住宅金融支援機構となったことで、新型住宅ローンのフラット35が誕生しました。
フラット35の金利&特徴
フラット35は、将来にわたって金利が一定となる固定金利型の住宅ローンです。返済期間は最長35年となっており、フラット35というネーミングは返済年限が由来となっています。
一般的な住宅ローンでは、金利が0.2%ほど上乗せされる(または一括で数十万円を支払う)保証料が存在するほか、万が一に備えた団体信用生命保険を強制加入としているケースが多いです。また、繰り上げ返済をする場合には所定の手数料が課される住宅ローンも少なからず存在しています。その代わり、適用金利は1.5%前後が一般的で、住宅の購入金額を100%融資してくれる金融機関も珍しくありません。
それに対し、フラット35は保証料が不要で、団体信用保険への加入義務もないのが特徴です。このことから、既往症があり、生命保険に加入できない人でも申し込みが可能です。さらに繰り上げ返済手数料もありません。
メリットが多いように思えるフラット35ですが、たとえば生命保険が任意となっていることから、債務者が生命保険に加入しなかった場合、返済中に死亡すると負債がそのまま残ってしまう可能性もあります。負債相続の対象になってしまい、ご家族に負担を残してしまう恐れがあります。また、基本的には変動金利型の方が低金利ですので、少なくとも当面の返済額はフラット35の方が大きくなるかもしれません。
これらを踏まえた上で、どの住宅ローンを利用するか考えるようにしてください。
フラット35で借り入れをする場合の条件や審査とは
フラット35の審査基準は、経済面から見ると、一般の住宅ローンと比べて緩くなっています。しかし、住宅金融支援機構は、経済面だけでなく、住宅の技術基準を審査する…という特徴があるので注意が必要です。
一戸建ての場合、70平米以上であること、断熱等性能等級2または省エネルギー対策等級2であること、木造住宅なら床下防湿されていることなど、複数の技術的条件をクリアした住宅を購入する場合しか融資を受けられません。
第三者機関の建築士が、フラット35の技術基準を満たしているかどうか、物件検査を行い、その上で融資の可否が決まるのです。ちなみに、この物件検査手数料は融資を受ける人が負担しなければなりません。
フラット35は、長期固定金利のため返済計画が立てやすく、多くの方が利用されています。毎月の支払額を固定にしたい方、賃貸からの住み替えなどの場合に検討してみてはいかがでしょうか。