住宅資金の贈与とは
投稿日:2015/02/02住宅を建てる時、両親が住宅資金を工面してくれるというケースは少なくありません。そういった場合、贈与税の扱いはどうなるのでしょうか?
こちらでは、住宅を買う場合の資金に関わる贈与税の扱いについて解説させて頂きます。
贈与税とは
贈与税というのは、人から人へ財産を譲り渡した時に課せられる税金です。日本では、年間110万円を超える贈与を受けた場合、財産を受け取った人に納税義務が生じます。ちなみに、贈与が500万円であれば、1人から500万円をもらっても、5人から100万円ずつもらっても、課される税額は同じです。
また、2003年から1年あたり110万円を超えた分に課税する暦年課税制度に加え、相続時精算課税という制度が始まりました。これは贈与する側が60歳以上、受け取る側が20歳以上の場合に適用されるもので、累積2500万円に達するまで、贈与税を課さない…という制度です。贈与者の死亡時、累積2,500万円を超えていれば、超えた分に一律20%の贈与税を支払うことになります。いったん相続時精算課税を選択すると、暦年課税に戻すことは出来ません。
家を建てるときに親が資金贈与すると非課税になる!?
住宅を建てる時、親が資金の贈与を行う……という例は、それほど珍しくありません。普通に考えれば、親が資金を出した場合、当然、その金額に対して贈与税が課せられるはずです。
しかし、「宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置」というものがあり、住宅の取得にかかる費用を贈与した場合、贈与税が非課税になることがあります。両親、祖父母など直系の尊属から贈与される場合に限られますが、住宅資金を援助するのはほとんど両親ですから、適用できるケースは多いでしょう。また、名称は住宅取得資金となっていますが、建物だけでなく敷地となる土地の購入費用も対象となります。
非課税になる限度額は、2015年の契約の場合、最大1500万円です。最大限度額の1,500万円が適用されるのは、省エネ対策等級4以上、耐震等級2以上などの基準を満たした住宅を取得する場合。一般住宅では1,000万円になります。
2016年の1月から9月は省エネ等住宅で1200万円、一般住宅で700万円となることが既に決まっていますが、その後はまだ変動する可能性があるので、注意してください。
暦年贈与の控除額110万円は変わらず適用されますので、住宅取得等資金贈与の特例で1,000万円非課税となった場合、合計1,110万円が贈与税非課税となる計算です。
また、相続時精算課税を選択すれば、最大で2,500万円が非課税となりますので、住宅取得の際にさらに有利になるでしょう。住宅取得等資金贈与の特例で1,000万円が非課税となっていれば、合計3,500万円を非課税で贈与することが可能になります。
この特例を利用すれば、両親からの資金援助を贈与税非課税で得ることが出来ますので、ぜひ、念頭に入れておきましょう。
住宅資金贈与の申告方法&必要書類
住宅取得等資金贈与の特例を受けるためには、税務署に確定申告を行わなければなりません。
必要な申告書類は、贈与税の申告書第1表、贈与税の申告書第1表の2。これらは国税庁のサイトからダウンロードで入手可能です。そこに添付書類として、住民票、戸籍謄本、当該不動産の登記事項証明書を加えて、確定申告を行います。税務署に直接行かなくとも、郵送で手続き可能なので、それほど大きな負担にはならないでしょう。
制度を利用することで贈与税額がゼロになる場合でも、申告しなければ非課税になりませんから、必ず税務署に申告するようにしてください。申告期限は、贈与を受けた翌年の2月1日?3月15日ですので、この期限に遅れないようにすることも大切です。
親から子供への資金贈与であっても、条件や資金の範囲が細かく決められています。もし、資金提供を受ける場合は、非課税になるかどうか、しっかりと確認するようにしてください。