家を売るなら知っておきたい不動産売却の流れとは
投稿日:2014/12/26不動産を売却するには、所有物件の売却を不動産業者に依頼し、購入者を探してもらう「仲介」と、不動産業者に物件を買い取ってもらう「買取」の2種類があります。
それぞれの売却方法について、詳しくご説明していきましょう。
「仲介」での不動産売却
不動産業者に「仲介」での物件売却を依頼する場合、媒介契約の締結が法律で義務づけられています。仲介の内容や手数料を明確にするため、以下の3種類の媒介契約からいずれかを選択しなければなりません。
・一般媒介契約
複数の不動産業者への売却依頼とともに、依頼主(物件所有者)自ら購入者を探すことも可能です。契約有効期間は設けられていません。
・専任媒介契約
1社の不動産業者にのみ、売却依頼することができます。依頼主(物件所有者)自ら購入者を探すことも可能です。契約有効期間は3カ月となり、不動産業者は2週間に1度以上、依頼主への状況報告を行わなければなりません。また、指定流通機構への登録も義務づけられます。
・専属専任媒介契約
1社の不動産業者にのみ、売却依頼することができます。依頼主(物件所有者)自ら購入者を探すことはできません。契約有効期間は3カ月となり、不動産業者は1週間に1度以上、依頼主への状況報告を行わなければなりません。また、指定流通機構への登録も義務づけられます。
媒介契約を締結する前に、具体的な仲介業務の内容や仲介手数料をしっかり確認しておくようにしましょう。
仲介手数料には法的に定められた上限があります。また、仲介業務で不動産業者が負担することになる費用は、仲介手数料以外、基本的に依頼主に請求することはできません。しかし、依頼主の要望で特別な宣伝活動を行った場合には、広告費用を請求することが認められています。
媒介契約が完了したら、不動産業者による物件の査定額と、依頼主が希望する売却価格を擦り合わせ、物件の売り出しを開始します。
売り出し後、一定期間が経っても購入希望者が現れない場合、売り出し価格を見直す必要があるかもしれません。無事に購入希望者が現れた場合には、引渡し時期などを調整した上で、売買契約を結びます。このとき、依頼主は買主(購入希望者)から手付金を受け取り、同時に仲介手数料の半額を不動産業者に支払います。
そして引渡し時には、手付金を差し引いた残金を買主から受け取ります。同時に仲介手数料の残り半分を不動産業者に支払い、売却は完了となります。
「買取」での不動産売却
不動産業者による「買取」の流れは、「仲介」での売却依頼に比べシンプルです。
まずは、所有物件を不動産業者に査定してもらいます。不動産業者は、物件買取後に必要となる広告宣伝費や登記費用、場合によってはリフォーム費用などを考慮しながら査定を行いますので、同じ物件を「仲介」で査定するときよりも査定額は安くなってしまいます。その上で、提示された金額に納得できたのであれば、必要書類を用意し、売買契約を締結します。
不動産業者から代金を受け取り、名義変更手続きを行ったら物件を引渡し、売却は完了となります。
不動産売却に必要な書類
不動産売却にはさまざまな書類が必要です。必要書類は、売却物件の種類によっても多少異なってきます。
以下に、より有利な条件で売買を成立させるために準備した方がいい書類も含め、まとめましたので参考にしてください。
- 本人確認書類
- 印鑑証明書
- 登記済権利書
- 固定資産税納税通知書、固定資産税評価証明書
- ローン残高証明書
- 銀行口座書類
- マンションの管理規約
- マンション維持費等の書類
- 耐震診断報告書
- 土地測量図、境界確認書(一戸建て、土地)
- 建築確認済証(一戸建て、土地)
- 建築設計図書、工事記録書等(一戸建て、土地)
相続不動産の売却
相続不動産を売却する場合、被相続人名義のままでは売却できません。まずは、相続登記による名義変更を司法書士が行う必要があります。
相続登記による名義変更を行うためには、事前に相続人を決めておかなければなりません。場合によっては、同時に遺産分割協議が行われることもあります。
不動産業者に売却依頼した後の流れは、通常の不動産売却と大きな違いはありません。ただし、売却決定後には確定申告や相続税など、税務業務が必要となります。
スムーズな不動産売却を行うためには、売却価格と売却期間、どちらを優先させるか明確にしておくことが大切です。自分の理想とする売却価格に近い金額で売りたいのであれば、「仲介」での売却をおすすめします。早めに物件を売却したいのであれば、「買取」での売却が適していると言えるでしょう。